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2015/1/20

楽器の名医

音楽

大学生のころ私は、どうしても入りたかった学校にいるにもかかわらず外の空気に触れたくて、明治大学の音楽サークルに所属していました。

2日前に、そのサークルの先輩で、ギターやベースなど弦楽器のリペア職人をしている田川さんを訪問しました。3人組ユニット「くもりな」のギター・アダチユーキさんが楽器をメンテナンスしたいとのことで、勝手に紹介&野次馬として同行した次第です。

 

リペアマンの仕事を見るのは初めてで比較対象はありませんが、それでも、もし自分が弦楽器を弾いていたら色々と相談したいなぁと思う丁寧さと真心。普段の演奏スタイルはアコースティック系が多いのか、いわゆるバンドサウンドが多いのかなんていう背景やもろもろの好みまで確認してくださったり、懐事情まで考慮してくださったり(笑)
まるでライフスタイルも把握したうえで持続可能&効果的な診療方針を決定する名医のよう。。本当にステキでした、先輩!

 

中でも勉強になったのは、楽器のプロとして理想形と言うか美しいという姿はきっとあると思うのですが、「こうすべき」と言わないところです。「自分としてはこんな調整でいいの?というオーダーでも、“すごく楽しく弾けるようになったよ~”という人もいるからねぇ」・・・専門家的“正解”だけを通すことがいい仕事なわけじゃない、とサラリ。け、気高い!そしてなんてニュートラル!これって心がけていても、つい忘れちゃったりするんです。プライドも邪魔します。

 

ということで、職人が働く姿(大好物)を見られた贅沢な週末でした。
いいサークルに入ったものです。学生時代の邪念ナシな衝動(ノリ)って悪くないですね。

 

田川さんとは周囲の環境で重なる点も多かったので、意外と多い「親身になってメンテナンスの相談に乗ってもらえる場所がない」という悩める弦楽器ミュージシャンに、今後も勝手に紹介させていただきたいと思います。
そして、近いうちに浦和美園でより充実した工房をオープンするとのお話でしたので、私も潜入させていただきます!

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by kajima